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岡安 悟; 西尾 太一郎; 小野 正雄; 真下 茂; 田中 靖資*; 伊豫 彰*
Physica C, 445-448, p.245 - 248, 2006/10
被引用回数:1 パーセンタイル:6.64(Physics, Applied)超伝導転移温度以下の領域でタリウム系1223超伝導体薄膜の磁束量子観察を走査型SQUID顕微鏡を用いて行った。磁束量子の配列は転移温度以下でほとんど変わらず、このことは試料中にきわめて強いピン止め中心が存在していることを示している。この強いピン止め中心は試料表面の不均質に起因する。
福住 正文*; 知見 康弘; 石川 法人; 鈴木 基寛*; 高垣 昌史*; 水木 純一郎; 小野 文久*; Neumann, R.*; 岩瀬 彰宏*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 245(1), p.161 - 165, 2006/04
被引用回数:17 パーセンタイル:74.61(Instruments & Instrumentation)Fe-50at.%Rh合金の高速重イオン照射を室温で行った。照射前後に、磁気特性を超伝導量子干渉計(SQUID)で、結晶構造をX線回折計(XRD)でそれぞれ測定した。また、試料表面近傍での照射誘起強磁性状態を評価するために、大型放射光施設SPring-8においてFe K吸収端近傍のX線磁気円二色性(XMCD)測定を行った。その結果、反磁性-強磁性転移温度以下でも高速重イオン照射によって強磁性状態が誘起され、そのときに格子が0.3%伸びることがわかった。照射した試料では強磁性に相当するXMCDスペクトルが得られ、これが照射イオンの質量や照射量に依存していることがわかった。電子励起及び弾性衝突によるエネルギー損失がFe-Rhの結晶格子及び磁気構造に与える影響について議論する。
西尾 太一郎; 岡安 悟; 鈴木 淳市; 門脇 和男
Physica C, 412-414(Part1), p.379 - 384, 2004/10
走査型SQUID顕微鏡(SQM2000, セイコーインスツルメンツ)を使って、われわれは30-50mの大きさを持つ円,三角,四角のような幾何学的な拘束条件のある微小超伝導体における磁束状態を研究した。試料は電子リソグラフィーとFIB技術によって作られた。量子化された磁束は、磁化の連続的な階段状の跳びを伴う磁場の関数として、不連続に微小超伝導体に入る。磁束数の関数として空間的な磁束の配列の量的あるいは質的な解析は最近の理論的な予測と比較されて示された。
鈴木 淳市; 門脇 和男; 畑 慶明*; 岡安 悟; 西尾 太一郎; 掛谷 一弘*; 小田原 成計*; 永田 篤士*; 中山 哲*; 茅根 一夫*
低温工学, 38(9), p.485 - 492, 2003/09
最近、微小超伝導体に拘束された量子化磁束が特異な空間秩序を示すことが理論的に明らかとなり、注目を集めている。このような秩序化は、高い空間分解能を有する磁気顕微鏡により観測が可能である。われわれは、微細加工技術を利用した磁気検出コイルサイズの微小化とスタンドオフの縮小により、磁気顕微鏡の高空間分解能化に成功した。そして、この高空間分解能磁気顕微鏡を利用して、Nb、及び、YBaCuO微小超伝導体の量子化磁束配列を観測することにより、量子化磁束配列の変化に対応した磁化の量子振動を明らかにすることができた。
畑 慶明; 鈴木 淳市; 掛谷 一弘*; 門脇 和男*; 小田原 成計*; 永田 篤士*; 中山 哲*; 茅根 一夫*
Physica C, 388-389(1-4), p.719 - 720, 2003/05
近年、微細加工技術の発展とともに、微小領域(マイクロメーターからナノメーターオーダー)に束縛された超伝導体の磁束状態に興味が持たれている。通常の超伝導体では、磁束はに量子化されて超伝導体中に分布する。しかし、微小な超伝導体では超伝導体の大きさや形状に依存した磁束の配列が実現することが理論的に示されている。例えば、微小超伝導Diskでは外形の対称性を維持するために中央に外部磁場に対応して、量子磁束の整数倍の磁束強度を持つ巨大磁束が安定である。しかし、このような超伝導体の磁束観察に関する研究の報告はほとんど存在しない。そこで、走査型SQUID顕微鏡を用いてYBCO-Diskの磁束配列の観察を試みた。試料はFIB(Forcused Ion Beam)加工を用いて作成し、直径はである。走査型SQUID顕微鏡による磁束観察の結果、Disk中の磁束は外部磁場の増大に伴い個数が増加した。全ての磁束は量子化されており、巨大磁束は存在しなかった。
畑 慶明; 鈴木 淳市; 掛谷 一弘*; 門脇 和男*; 中山 哲*; 永田 篤*; 小田原 成計*; 茅根 一夫*
Physica C, 378-381(Part1), p.420 - 423, 2002/10
第二種超伝導体では、ある一定以上の磁場の下で超伝導体内部に量子化された磁束が侵入する。走査型SQUID顕微鏡を用いると、この量子化された磁束の振る舞いを直接観察することができる。磁性超伝導体では、磁性イオンを含まない超伝導体とは違い、この量子磁束に内部構造が見られることが理論的に示されている。しかし、その直接観察の例はこれまでにほとんど報告されていない。そこで、走査型SQUID顕微鏡を用いて磁性超伝導体の量子磁束観察を行った。磁性超伝導体系は低温での磁気的性質は磁性を担う希土類イオンの種類により大きく異なる。ではクラスター状に分布した量子化された磁束量子が観測され、印加磁場の増大にともなう磁束量子の密度の増加がみられた。磁性イオンを持たないYBCOの観察結果と比較的類似した結果が得られた。これに対してでは量子磁束の数倍の強度を持つ大きな磁束とその周辺に逆向きの磁束分布が観測された。これは試料の持つ磁気モーメントと超伝導体中に侵入した磁束の和が量子化条件を満足するために見られる現象で、このような現象を直接観察したのはこれが初めてである。
石田 武和*; 吉田 将明*; 奥田 喜一*; 岡安 悟; 笹瀬 雅人; 北條 喜一; 小田原 成計*; 永田 篤士*; 師岡 利光*; 中山 哲*; et al.
Physica C, 357-360(Part.1), p.604 - 607, 2001/09
ボルテックス多体系の受け皿としてキャピラリープレート(孔径6m,ピッチ7.54m)に第1種超伝導体Pb(5N)を蒸着し、超伝導微細孔格子を作成した。微細孔は三角格子状に配置し、マッチング磁場はH=0.425Gに設計した。SQUIDによる磁化曲線はLittle-Parks効果と異なるマッチング効果を示した。さらに、SQUID顕微鏡をもちいて、零磁場で冷却した場合のボルテックス分布を調べ、ボルテックスが一本ずつ入った三角格子状態を初めて観察した。
荒 克之
MSJ-94-1, 0, p.1 - 8, 1996/03
渦電流探傷の分野において、傷の有無だけでなく、傷の形状、大きさなどの同定可能な探傷法の開発が望まれており、いくつかの新しい探傷プローブが提案されている。筆者らも、平行四辺形平面プローブを提案し、基礎実験を進め有効なデータが得られている。材料の経年劣化の非破壊計測は未踏の技術であるが、磁気に着目した研究が有望視され磁気ヒステリシスやバルクハウゼン雑音を測定する方法が試みられている。また測定センサとしてSQUID(超電導量子干渉素子)の応用が試みられている。筆者らも原子炉圧力容器の経年劣化の非破壊計測法として「磁気問いかけ法」を提案している。材質劣化の非破壊計測の実現には、材料の機械的性質と磁気的性質の間の相関に関する基礎的研究の展開が不可欠である。この分野はチャレンジングな研究課題が多く、かつ学際的問題である。若い有能な研究者の参加が望まれる。
荒 克之; 坂佐井 馨
MAG-96-35, 0, p.185 - 197, 1996/02
生体磁界計測における逆問題は解を一意に定めることが本質的に不能であることを、マックスウェルの電磁界方程式より解き明かし、逆問題を解くためには先験的知識の導入による磁界源モデルをどう定めるかが重要であることを説いた。そこで、逆問題を解くためには、磁界計測系をどのように構成するか、そして質の良いデータをどう選ぶかについて検討するため、磁界源である電流と計測値である磁界とを結びつける空間伝達関数の概念を導入し、その空間周波数特性を求めた。これよりマルチチャンネル磁界計測システムの空間サンプリングの条件をシャノンのサンプリング定理より求め、グラジオメータ(空間微分型マグネトメータ)による空間分解能の向上の理論的根拠を示した。
荒 克之; 海老根 典也
日本応用磁気学会誌, 20(3), p.743 - 749, 1996/00
非破壊検査では磁気的手法が有力な手段の一つとして用いられている。次の技術として、傷が発生する前の材質劣化を非破壊検査することの重要性が認識され、磁気ヒステリシス法、バルクハウゼン雑音法、SQUIDの利用などが注目され研究が行われている。材質劣化の非破壊計測では、機械的性質の劣化を非破壊計測するのではなく、材質劣化に伴う物理的性質(磁性、電気伝導性、音弾性)の変化を計測する。したがって、機械的性質と物性(磁性)との相関関係が明確であることが重要となる。以上のことに関して、研究の動向、今後の研究課題を解説する。
荒 克之; 坂佐井 馨; 岸本 牧
MAG-93-91, p.37 - 56, 1993/03
生体磁界計測における逆問題は解を一意に定めることが困難な問題である。この事実を、Maxwellの電磁方程式をベースに理論的に明らかとした。つぎに、ビオザバールの法則のフーリエ変換から、生体磁界計測の物理的意味づけを行い、生体内電流とそれが作る生体外部の磁界を結びつける空間伝達関数を導き、その性質を求めた。空間伝達関数のカットオフ周波数から生体磁界計測用マルチチャンネルSQUIDシステムの最適チャンネル数を検討した。また、逆問題の近似計算を行う場合のセンサの最適配置について3次元配列が望ましいことを理論的に検討して確認した。逆問題計算手法の評価のためにベンチマーク問題の作成を提案した。
北野 恒平*; 岡安 悟; 野島 勉*; 佐々木 孝彦*; 小久保 伸人*
no journal, ,
微細な穴や窪みを小さな超伝導体に導入することにより、反量子渦を含む新たな量子渦状態の誘起と制御を目指している。今回、直径数ミクロンの5つの穴(中心の1つ穴とその周りの正方形の対称性と一致する4つ穴)を設けた正方形状の微小超伝導体を用意し、一様磁場を印加して誘起された量子渦状態を走査SQUID磁気顕微鏡で直接観察した。穴のない以前の結果と比較すると、低渦度(L5)において独特な渦配列が現れることが分かった。例えばL=3では、対角に3つ並ぶ配列が現れるが、穴の間隔を狭くすると、中心の渦が排除され、周囲の4つ穴のいずれか3つに侵入する。穴間隔と渦間の相互作用の競合が重要な役割を果たすことが分かる。得られた配列の渦度は、印加磁場に対して非単調に成長し、穴の配置に依存することが分かった。